2013年12月17日火曜日

東部醤油さんを訪問しました!

粟田部町の東部醤油さんを訪問しました!


東部醤油さんは、もともと5つの製造元が戦後の物資不足の時代に合同で始めた会社だそうで、
工場が粟田部の東側に位置しているところからこの名前がつけられたそうです。
現在は、そのうち2社の親族の方々5名で営まれています。

工場内はお醤油の香りでいっぱい!
大豆の香りも漂っています。

こちらの工場では生揚(きあげ)醤油の状態から加工がはじまります。


生揚醤油とは熟成させたもろみを絞ったもので、麹菌などの微生物がまだ生きている状態。
栄養満点ですが、市販用にはまず殺菌、そして味付けが必要になります。

この機械で加熱します。
中には高温の蒸気が流れていて、醤油が間を通って加熱されてゆきます。
こんな風に樽と繋がっていて醤油を循環させながら85℃まで徐々に温度を上げます。
冬、約4500リットルの冷たいお醤油を温めるのにはかなりの時間がかかります。
この日も朝8時頃に始めて、85℃になったのが12時過ぎ。
 
その間に味付けがされます。今回は甘露です。
現在、味付けを担当されているのはご主人お一人。
糖蜜が入ったこの缶はなんと24kgもあるそうで、かなりの重労働。
しかしながら、同量の材料でも入れるタイミングで出来上がりの味が変わってしまうそうで、やはり相当の経験が必要のようです。
「そろそろ伝えなあかんのやけど」とご主人。
 
殺菌&味付けが完了すると、隣の樽へ移し冷まします。
樽と樽はこのようなパイプで繋がっているので、醤油の移動は思ったより楽。
それでも4500リットルを移すのには30分かかるそうですが。

 
出来たてのお醤油を味見させてもらいました!湯気が立ってます!


いつものお醤油を温めたのとは違って、まさに若々しい味という感じ。
これから一週間から10日間かけて冷ますとこくっとした深い味にまとまるそうです。
 
こちらは濾過をする機械。
中には布が張ってあり、しっかり不純物を取り除きます。
 
洗濯後の布。

 
さて、こちらが出荷を目前に控えたお醤油。
加工場からパイプを通って充填場に移動してきました。
こちらでは半自動の機械でドクドク瓶詰め。


いっぱいになったら外して、蓋をのせてベルトコンベアーへ。
ガチャンと蓋を固定。年季の入った機械ですが、さらに手動だった時代のものが残されていました!(写真右)
やはり手動の道具は良いですね。
 
ただ、こちらのラベル貼り機は自動ですが良いです!

コロコロと糊をつけられ、ラベルの裏の端っこにペタ。
そのまま一枚下ろしてきて、真ん中を押さえて両脇からすり抜ける!

無駄のないシンプルな仕事ぶりにしばらく見とれてしまいました。
 

仕上げはやはり人の手で。
きれいに拭かれて、出来上がりです。
 
 物資不足の時代、お取り寄せなんて簡単に出来なかった時代から、地元の食卓を支えてくれているお醤油。
このラベルの昭和の香りがとても愛おしくなりました。
 
この甘露はお餅にとってもよく合います!これから出番が多くなりそうですね。
直売もしてらっしゃるのでお近くにいらした際にぜひ訪ねてみてください!
 
 
 
 
 
 
 
 




2013年11月18日月曜日

赤藤細巾織物工場さんを訪問しました!

南中山地区にある赤藤細巾織物工場さんを訪問しました!

どこかで見たことのある、どこか懐かしいリボン。
 このリボンを作られているのが赤藤細巾織物工場さんなのです!

工場に入ってまずドキッとしたのが、このカラフルさ!
それぞれの機械に様々な色の糸がかけられています。

このカラフルなポリプロピレンの糸は、岐阜県からやってきます。
まずは、工場2階の整経機(経糸を整える機械)へ。

縦に置かれ上方につぅーっと糸が引き出されて、リボンの経(たて)糸が巻き取られてゆきます。
ちなみにこちらは、平たい糸を整経する機械。
断面が丸い糸と違い、ねじれると光の反射で織りあがりが綺麗に見えないため、このように横に置かれてねじれないように糸が引き出されています。

そして、こちらの機械では横糸を整えます。

右上部からいくつか芯を入れて溜めておきます。芯が回って一本巻き終わると糸がプチッと切られます。そして、巻き上がった芯は自動的に外されて次の芯に入れ替わります。コトン。


 こうして整えられた経糸と横糸が織機にかけられ、カラフルなリボンが織られてゆきます。
巾は12mm、24mm、36mm、48mmの4段階、色は6~7色バリエーションがあります。

赤藤細巾織物工場さんでは、広巾に織った生地を切断するのではなく、最初から細巾で織られるので、耳が美しく仕上がるのだそうです。後染めではなく、水に強い色糸を使用しているので、色落ちの心配もないとのこと。
このリボンが長い間色んな場面で使われている秘密かもしれません。


最後に、織りあがったリボンを30mずつに裁断して、

くるくる回る円盤の上でロール巻になり、
手際よく積み上げられて、10巻きずつフィルムに包まれたら包装終了!
いつ注文があっても即対応できるように各色、各巾の在庫が準備されています。
それが取引先との信頼関係に繋がるのだということ。



大正時代から3代続く赤藤細巾織物工場さん。
本日も親娘3人最高のチームワークでリボン作りをされています!


2013年11月13日水曜日

かせや味噌さんを訪問しました!

粟田部地区にあるかせや味噌さんを訪問しました。

「かせや」とは面白い名前ですが、その昔屋号を考える際に商売で扱っていたのが蚊帳の糸。その糸の数え方が、1かせ、2かせ、だったところからつけられたそうです。

さて、荒物屋さんだった「かせや」から心機一転、それまで店の奥で製造していた味噌を一本柱に「かせや味噌」をスタートさせたのが4代目の成実さん。現在では、5代目の雅史さんとともに味噌作りをされています。

本日は、麹づくりを見学させてもらいます!


AM9:00 訪問した時には、すでに窯に火が入り、薪が足されているところでした。薪は、味真野地区の文室のクヌギを使用。



上の方に見えている、大きな蒸し器のの下半分には大豆、上半分にはお米が入っています。

 
火を絶やさず、釜の中の水がぐつぐつ沸騰するのを待つこと約30分。
徐々にお米と大豆の蒸した香りが蒸気とともにモクモクと溢れ出してきます。
 
 
蒸されてゆく過程で香りも徐々に変化してゆくそうです。私には分かりませんが、熟練者なら分かるようです。
 
 
蒸しあがってきたら、炭を土壁の室(むろ)に移します。ここが室温約35℃(人肌程度)、湿度約90%の発酵部屋に。

 
AM10:00 蓋を明け、
 
お米の蒸し具合を確認。これも長年の経験による勘。


 
竹箕(たけみ)に受けて、先ほどの室へと素早く運び、
 
 
むしろを敷いた布の上で、人肌程度に冷まします。

 
そして今度は下半分にあった大豆を広げます。
ここでは、むしろの上に越前和紙を敷いています。とっても丈夫なんだそう。
 
ふっくらつやつや。

北海道産の甘みのある大豆です。おへそが特徴。
今回はおかず味噌用でほっくりしています。調理みそ用の場合はあらかじめ水分を多く含ませておき、もっと柔らかく仕上げるそうです。

さて、大豆も人肌程度に冷まされたら麹菌の登場です。万遍なく手際よく混ぜられます。

 
そして、中には明治時代からのものもあるという代々使われている麹蓋(こうじぶた)に分けて、室に運ばれていきます。


お米にも麹菌がまぶされてコトンと毛布にくるまれます。真冬には電気毛布も登場するそう。

AM11:00 今日と明日寝かせて発酵させ、明後日には豆麹(左)と米麹(右)が出来上がります。

 
ここまでご覧の通り、電気とガスは一切使用していません。(電気毛布は除く。)
雅史さん曰く、停電になっても味噌づくりは出来るそうです。
手間はかかるけれども昔ながらの方法で作り続けているからこその強み。

まさに”手”づくりのかせやさんのお味噌。成実さんの艶々の手が物語っています!
 
 かせや味噌さんでは調理みそはもちろんのこと、豆麹を使った冬季限定のなとみそや米麹を使った甘酒など様々な商品を作られています。粟田部のお店以外ではなかなか手に入らないものもあります。
 


伝統を継承しながら、新しいことにも挑戦を続けられているかせや味噌さんは、これからも粟田部を発信地に、日本の食文化を支えてくださることでしょう!よろしくお願いします!!