2013年9月26日木曜日

吉田屋指物さんを訪問しました!

岩本神社の目の前に工房を構える吉田屋指物さんを訪問しました!


こちらでは漉き桁(すきげた)をはじめとする紙漉き道具や障子などの建具を製造されています。
紙漉き業者の多い旧今立地区ですが、現在漉き桁を製造出来るのは吉田屋さんのみ!

こちらは山丸製紙さんの回でもご紹介した「溜め漉き」で使われる漉き桁。


ここまでで釘は一本も使われていません。
 
木枠の角にカンナを当てます。

すーぅっすーぅっと気持ちよく削られてゆきます。 

「この方が持ちやすいやろ?」と実さん。
60年間使い手の立場でものづくりをされているからこその自然な一言。

よくすり減るところには銅版で補強もします。長持ちのポイントがここに。
 
この後銅やステンレスの網がつけられたりして漉き桁になります。

奥に見えるのがお孫さん。吉田屋さんは父・息子・孫が三代揃う工房です。
やっぱり働く実さんの背中がかっこよかったのでしょう!

 
もちろん笑顔も最高です!
 
 
越前の手漉き和紙を支える 吉田屋指物さん。これからもよろしくお願いします!

 
 


2013年9月3日火曜日

山丸製紙さんを訪問しました!

新在家町の細い道を奥に入ったところに山丸製紙さんはあります。

こちらでは局紙「きょくし」という、主に賞状や名刺に使われる和紙を製造されています。


今回取材のために「耳付名刺」を漉いてくださいました!
「耳付名刺」とは端が直線ではなくて、耳が付いている和紙ならではの趣のある名刺。

 
大きな紙を裁断するのでは耳は出来ません。
最初から名刺サイズの枠を使います。
「溜め漉き」といってあまり振らずに溜めて漉くそうです。
 



枠を外すとこんな感じ。
脱水前なのでふわっと厚みがあります。


大きな和紙を間に挟んで漉いた紙を5回重ねて脱水したら乾燥です。

この乾燥工程に注目!!


澱粉のりを使って5枚重ねになった紙をこの大きな木枠に貼り付けます。
分厚い紙の障子のような感じになります。

これらが燃料を焚いて高温にされた室(むろ)に入れられます。
この室は創業時から使われているそうです。木の引き戸にその歴史を感じます。

室のまわりは汗が噴き出すほどの熱さ。熱気でカメラが一瞬で曇りました。

しっかり乾燥させたら、大きな和紙を剥がし、名刺一枚一枚を剥がします。

この名刺の間に今度は一枚一枚金属の板をはさみ、まとめてローラーにかけて艶出しをします。
 
タイムスリップしたかのような感覚で丁寧な仕事に見とれてしまいました。
 
出来上がった名刺は艶があって、しっかりとした強度もあります。
最後の仕上げがあってこそなのですね。
 


こちらは片面に繊維で模様をのせて漉いた山丸製紙さんオリジナルの「大礼名刺」。
これに名前を書いたらシャキッと仕事をせねば!と思えることでしょう。


情熱をもって親切にお話してくださいました加藤さんありがとうございました!







福岡商店セロファン加工所さんを訪問しました。

旧福井鉄道南越線の五分市駅跡の目の前に、
 
福岡商店さんはあります。
 
セロファンとはパルプを原料にした、言わば「透明な紙」。(燃えるごみに出せます!)
 
 
こちらでは主にセロファンを裁断して緩衝材に加工しています。
 
 
手で作業することで適度な幅のセロファンを使うことが出来、半端なクズが出にくくなります。
これが即ち、ほどよい弾力性につながるという訳です。
 
この弾力のお陰で繊細な果物などが傷つかずに私たちの手元に届くのですねぇ。
 
 
そして出荷されて行きます。
と、包装場で面白い機械を発見!
 
細幅のセロファンがぐるぐる撚り出されてひも状に巻き取られています。
この細幅のセロファンは、実は切り落とされた耳の部分。

 
このままでは商品にならないのですが、撚り合わせれば立派な荷造りひもに生まれ変わります。
 
セロファンの素材自体もエコですが、貴重なセロファンを無駄なく使うという福岡商店さんの取り組みもまたエコなのでした。