2014年1月10日金曜日

和塗師(わぬし)宮森昭宏さんに金継ぎを教わりました!

越前市赤坂町にアトリエを構える、和塗師(わぬし)宮森昭宏さんを訪問しました!
宮森さんは蒔絵をより身近なアイテムに施して、越前漆器の魅力を全国・全世界に発信されています!
飾っておくより、使いたくなる蒔絵アイテム。
 
さて、まず教わった漆のお話。

軒下や木にぶら下がっている蜂の巣がなぜ落ちることなく風雨に耐え得るのか。
あの根元を固めているのが、実は漆だというのです!
その昔、それを発見した石器時代の人々が、狩猟に使う矢じりに接着材として漆を使い始めたといいます。
現在では、漆というと装飾用というイメージが強いのですが、実は接着剤としての歴史の方が古いのです。

金継ぎとは、割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着し、継ぎ目に金、銀、白金などの粉を蒔いて装飾する修理法。修理後の継ぎ目を「景色」と呼び、その趣をも楽しむという日本人ならではの美意識から生まれた方法です。室町時代の茶の湯の世界から始まったといいます。
さらに、漆は植物由来の接着剤なので、食器に使用しても安心というエコ素材!注目です。

用意するもの

 ・生漆 
 ・強力粉(中力粉) 
 ・水 
 ・へら
 ・爪楊枝 
 ・カッター(刃のやわらかいもの)
 ・細筆 
 ・金粉(銀粉、合金など) 
 ・真綿 
 ・化粧筆 
 ・お盆
① 小麦粉と水を混ぜ、耳たぶくらいの硬さになるまでよく練ります。
② ①に漆を混ぜます。
割れた器。
③ 爪楊枝で②を断面に塗ります。
④ 接着します。
※このときの漆の状態。しっかり粘りがあります。
⑤ 接着面が他に触れないように固定します。今回はクリップを使用。
⑥ 湿度を保つため湿らせた段ボール箱に⑤を入れます。段ボールが乾かないよう、こまめに霧吹きで水をかけながら、約一ヶ月間かけて乾燥させます。
⑦ 乾いたらはみ出した部分をカッターで削ります。
⑧ 同じ手順で本体と⑦を接着し、乾燥させます。爪で弾いてみて、修理した部分と本体が同じように響けば乾燥完了。
⑨ 継ぎ目に沿って、細筆で漆をのせます。
⑩ お盆に金粉を用意します。
⑪ 漆をのせた部分に、真綿や化粧筆で金粉を蒔きます。
⑫ 湿らせた段ボールで3日~4日乾かして出来上がりです。使用も可能。
 
 漆というとやはりかぶれが気になります。聞くところによると、作業中は集中しているので手に漆が付いてしまうことは少ないそう。危ないのは、片づけ時。作業はビニールの上でおこない、出来るものは使い捨てにして、まるごと包んで処分するのもいいかもしれません。
 
割れてしまったお気に入りの器も金継ぎが出来れば蘇ります!それも自分だけのオリジナルになって。
是非お試しください。
 
宮森さんありがとうございました!